本記事の情報は参考目的です。制度は変更される場合があります。最新情報は国税庁・IRAS(内国歳入庁)の公式サイトでご確認ください。
日本の非居住者になるとは
シンガポールで節税を実現するには、日本の税法上の「非居住者」になることが必須です。非居住者になると、日本で発生した所得のみが日本の課税対象となり、シンガポールで発生した所得は日本では課税されません。
非居住者の判定基準
- ✓住所がないこと:日本に「住所」(生活の本拠)がないこと
- ✓滞在日数:日本の居住者判定に「年間183日」のような日数基準はない。国税庁は、外国に1年の半分以上滞在していても日本の居住者になる場合があると明記している。住居・職業・家族・資産の所在などの客観的事実から、生活の本拠がどこにあるかで判断される
- ✓生活の実態:家族・資産・事業の中心がシンガポールにあること
一方で、明文の推定規定があります。1年以上の予定で国外において職業に従事するために出国する人は、出国の時から「国内に住所を有しない者」と推定されます(所得税法施行令第15条第1項第1号、所得税基本通達3-3)。在留期間が契約などであらかじめ1年未満と明らかな場合を除き、EPで就労するための出国はこの推定に乗ります。ただしあくまで推定なので、家族や生活の中心が日本に残っていて生活の本拠が日本にあると認定されれば覆ります。1年契約があれば自動的に非居住者になるわけではありません。予定が変わって1年未満で帰国することになった場合は、それが明らかになった日以後に居住者に戻り、出国時に遡って居住者になることはありません。
手続きチェックリスト
- ✓所得税・消費税の納税管理人の選任・解任届出書を税務署に提出。住民税の納税管理人は市区町村へ別に届け出る(1つ出せば済むわけではない)
- ✓国外転出届を市区町村に提出(1年以上の滞在が目安。受付開始は市区町村で違い、練馬区や江東区は14日前から)。転出届を出しても、1月1日時点の住所は生活の実態で別に判定される
- ✓国民健康保険の脱退手続き
- ✓国民年金の手続き(海外に住むと強制加入から外れる。日本国籍なら市区町村の窓口で任意加入を申し込める)
- ✓日本の銀行・証券口座の非居住者変更手続き
- ✓所得税の確定申告(納税管理人を届け出ていれば、出国日までの全所得と出国後の国内源泉所得を合わせて翌年3月15日まで。届け出ずに出国する場合は出国の時までに準確定申告)
注意
住民票を抜いても、日本に頻繁に帰国・滞在している場合は「住所あり」と認定されるリスクがあります。日本滞在日数の管理と、生活の実態をシンガポールに移すことが重要です。
日本の住民税が移住後いつまで、いくらかかるかは、賦課期日の1月1日にどこに住所があるかで決まります。出国の時期による違いと手続きはシンガポールに住民税はあるかにまとめています。
移住前後の税務の手順を時系列で確認する
出国前に済ませることと着任後にやることを、家族構成と目的に合わせて一覧にします。質問は5つ、登録なしで使えます。