本記事の情報は参考目的です。制度は変更される場合があります。最新情報は各提供元の公式サイトでご確認ください。
住宅タイプ別の実額
光熱費は住まいの広さでほぼ決まります。シンガポール政府が公表している住宅タイプ別の平均消費量に、現行の料金を掛けると実額が出ます。
| 住宅タイプ | 電力 月平均 | 電気代 | 水道 月平均 | 水道代 |
|---|---|---|---|---|
| 4部屋HDB | 380.7 kWh | 約S$132 | 15.4 m³ | 約S$50 |
| 5部屋・エグゼクティブHDB | 464.0 kWh | 約S$161 | 17.1 m³ | 約S$55 |
| 民間アパート・コンドミニアム | 522.0 kWh | 約S$182 | 13.4 m³ | 約S$43 |
| 戸建て(ランデッド) | 1,208.2 kWh | 約S$420 | 30.6 m³ | 約S$99 |
消費量は2024年の実績(環境・持続可能性省が2025年9月に国会へ提出した数値)、電気代は2026年7月から9月の規制料金1kWhあたり34.78セント(GST込)、水道代は同期間の家庭用単価S$3.24/m³(GST別)で計算しています。
コンドミニアムの水道使用量が5部屋HDBより少ないのは、世帯人数が平均して少ないためです。電気は逆に多く、広さと冷房の使い方が効いていることが分かります。
電気代は季節ではなく四半期で動く
シンガポールに四季はなく、気温は年間を通じてほぼ一定です。電気代が動く主因は使用量の季節変動ではなく、四半期ごとの料金改定です。
2026年7月から9月の規制料金は1kWhあたり34.78セント(GST込)で、前四半期から17.0%、4.64セント上がりました。前四半期の改定幅が2.1%だったことを考えると異例の上げ幅で、水準としても過去最高です。中東情勢による天然ガス価格の上昇が反映されています。
料金は3か月ごとに変わる
何が電気を使っているか
NEA(国家環境庁)の家庭の消費電力の内訳は、エアコンが約30%、冷蔵庫が約20%、照明が約15%、給湯器が約10%、洗濯機が約5%です。この5つで約80%を占めます。削減の余地はほぼエアコンの使い方に集中します。
電力小売への切り替え
シンガポールの電力小売は自由化されており、規制料金のまま使う以外に、小売事業者と契約する選択肢があります。プランは固定価格型と規制料金からの割引型の2種類です。固定価格型は規制料金を下回る水準で提供されることが多く、料金が上がった局面では差が開きます。
賃貸でも、電気の契約名義が入居者であれば切り替えられます。政府が運営する比較サイトで現在の各社の価格を確認できます。契約期間は12か月から24か月が中心で、途中解約に違約金がかかる点は確認が必要です。
水道料金は3つの合計で決まる
ここは誤解が多いところです。事業者のサイトで目にする「水道料金 1m³あたりS$1.43」は3つの構成要素のうちの1つでしかありません。実際の請求はその2倍以上になります。
| 構成 | 40m³以下 | 40m³超 |
|---|---|---|
| 水道料金(tariff) | S$1.43 | S$1.81 |
| 節水税(Water Conservation Tax) | S$0.72 | S$1.18 |
| 排水料(Waterborne Fee) | S$1.09 | S$1.40 |
| 合計(1m³あたり、GST別) | S$3.24 | S$4.39 |
節水税は水の希少性を価格に反映させる目的で1991年に導入されたもので、水道料金に対する比率で課されます。排水料は下水処理の費用に充てられます。月40m³を超えた分には高い単価が適用される累進構造で、家族が多い世帯や戸建てでは超過分が出ることがあります。
なお水道水はそのまま飲めます。PUBの水質基準を満たしており、ミネラルウォーターを買い続ける必要はありません。
通信費は日本より安い
固定回線は3Gbpsから10Gbpsが主力です。SingtelとStarHubは5Gbpsと10Gbps、M1は3Gbpsと10Gbpsを前面に出しており、1Gbpsは各社の主要プラン一覧から外れました。ただしM1は増速工事が済んでいない地域向けに1Gbpsと2.5Gbpsを今も提供しているので、入居する物件によっては選択肢に入ります。
注意すべきは価格の見え方です。各社が広告している月額はプロモーション価格で、24か月契約が前提です。契約終了後は通常価格に戻り、5Gbpsで月S$70前後、10Gbpsでは月S$90からS$135程度になります。プロモーション価格は5Gbpsで月S$30から40程度なので、契約終了後はおおむね2倍です。10Gbpsは差がさらに大きく、StarHubは月S$38.90からS$121.01へ、M1は月S$26.90からS$135.00へ上がります。移住後2年目以降の固定費として見ておく必要があります。
携帯はSIMのみのプランが安く、格安系の事業者なら契約期間の縛りなしで月S$8から数百GBが使えます。ただし最安帯は4Gで、5Gを含めると月S$15前後からです。大手3社は開きがあり、M1が月S$15から23、StarHubが月S$28から78、Singtelが月S$35から80です。広告に出ている割引価格は数か月限定か年齢条件つきのものが多いので、通常料金で比べてください。2026年8月時点の水準です。
入居時の手続き
公共料金のアカウントは18歳以上で有効なパスを持っていれば開設できます。ここで見落としやすいのが開栓の段取りです。新築のHDB以外、コンドミニアムを含む物件では、供給開始前に現地で安全点検が行われ、名義人または代理人の立ち会いが必要です。申請から予約まで1週間程度のリードタイムを見ておかないと、引っ越し当日に電気が点かないことになります。
アカウント開設時には保証金がかかります。コンドミニアム・私営アパートの場合、外国人はGIRO登録でS$200、GIROなしでS$300です。都市ガスを使う物件では、ガスの開栓は事業者へ別途連絡します。
ヘルパーを雇う場合
住み込みの家事労働者を雇うと、光熱費が上がるだけでなく雇用主としての義務が発生します。雇用税、保険2本、セキュリティボンド、休日の規定など制度が細かいため、ヘルパー(家事労働者)を雇うで別に扱っています。給与と雇用税だけで月S$950が下限です。