本記事は移住準備の参考情報です。学校・銀行・医療機関などの対応言語や手続きは、各機関の方針により異なる場合があります。個別の条件は各機関に直接ご確認ください。
シンガポールは英語が通じる。ただし「話さずに済む」わけではない
シンガポールの公用語のひとつは英語で、行政手続き・学校教育・ビジネスは英語で行われます。日本人にとって移住しやすい国とされる理由のひとつです。 一方で、英語が通じる国であることは、英語を話さずに生活できることを意味しません。日常のほとんどの場面で、自分から英語を発する必要があります。
ここでは「どのくらいの英語力が必要か」を漠然と論じるのではなく、実際にどの場面で、どういう英語が要るのかを具体的に整理します。
英語が必要になる場面と、求められる力
子どもの学校
入学面談、担任との面談、日々の連絡メール、保護者同士のやり取り
面談で質問に答え、相談を伝えられる会話力。読み書きも必要
住まい探し
内見での質問、設備の不具合の説明、契約条件の交渉、エージェントとの連絡
希望や不都合をその場で言葉にする力
銀行・行政手続き
口座開設の窓口、書類の不備対応、パス関連の問い合わせ
定型的なやり取りが中心。ただし例外時は説明力が要る
医療
受付、症状の説明、医師の説明の理解、薬局
症状を正確に伝える力。日本語対応クリニックもある
職場
会議、雑談、電話、多国籍の同僚との協働
職種によるが、最も高い水準が求められる
日常生活
ホーカーでの注文、買い物、タクシー、修理の依頼
短いやり取り。通じれば足りる場面が多い
シングリッシュについて
「読める英語」と「とっさに出る英語」は別の力
日本で受験や資格試験の勉強をしてきた方の多くは、英語を読む力を持っています。契約書やメールを辞書を使いながら読み解くことは、それほど難しくないはずです。 ところが移住後に壁になりやすいのは、読む力ではなくその場で口から出す力です。
- ✓相手の質問には答えられるが、こちらから状況を説明しようとすると言葉が出てこない
- ✓言いたいことを頭の中で日本語から組み立てているうちに、会話が次に進んでしまう
- ✓知っているはずの表現が、必要な場面で出てこない
この差は語彙や文法の知識量ではなく、思い出す速さの問題であることが少なくありません。知識として持っている表現と、とっさに使える表現は、必ずしも一致しないためです。
移住前に準備しておくと楽になること
1. 自分に必要な場面から逆算する
英語力全般を漠然と底上げしようとすると、時間がいくらあっても足りません。子どもの学校の面談が最初の関門になる人と、職場の会議が本番の人とでは、優先すべき準備が違います。上の表で自分に関係する行を見極めるところから始めるのが現実的です。
2. よく使う型を、考えずに言える状態にする
会話で使う表現は、実際にはかなり限られた型の組み合わせです。依頼する、確認する、断る、聞き返す、状況を説明する。こうした型を考えなくても口が動く状態まで持っていくと、実際の場面での負担が大きく下がります。
3. 聞き返すことをためらわない
多国籍社会であるシンガポールでは、英語を母語としない人同士の会話が日常的です。聞き返すことは失礼ではなく、むしろ当たり前のやり取りとして受け止められます。完璧に聞き取れないことを前提に、確認する表現を用意しておくほうが実用的です。
子ども側の英語について
とっさに出る英語を鍛えるための選択肢
「思い出す速さ」を上げる練習は、教材を読むこととは別のトレーニングになります。日本語の状況を見て、対応する英語を自分の頭から引き出す。この往復を繰り返すことでしか身につかない部分があります。 オンライン英会話で実際に話す機会をつくる、フレーズ集を音読する、アプリで反復するなど、手段はいくつもあります。自分の生活リズムに組み込めるものを選ぶのが続けるコツです。
「とっさに出る」を鍛えるアプリ
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まとめ
- ✓シンガポールは英語が通じる国だが、自分から英語を話す場面は日常的にある
- ✓必要な英語力は場面によって異なるため、自分に関係する場面から逆算して準備する
- ✓移住後に壁になりやすいのは読む力ではなく、とっさに口から出す力
- ✓よく使う型を考えずに言える状態にしておくと、実際の場面での負担が下がる